不安定な場所で前輪を上げた状態を維持する悪魔のような女
2013年02月25日月曜日 | カテゴリー:-
▲可変翼がついたフロントフォークが斬新なAOI14
みなさんは自転車で前輪を上げたりできるほうですか?
僕は上がりません。
全然あがりません、グッと前輪を持ち上げようとすると上半身が「ビクッ」となって腕が「ピン!」となったりする程度で、
本人としては数センチ上がったと感じていても、はたから見ると「あ、腕がピン!っとなったな」
ぐらいにしか見えないかもしれません。
しかしながら、シクロクロス会場などで数十センチの高さの障害物や段差を前輪を上げ自転車に乗ったまま越えていく選手たちを見て
男の子なら誰しもが持つ一種のアクロバティックな技への憧れと申しましょうか、「前輪を上げる」という行為に憧れは抱き続けていました。
それは決して速さにつながるものではないというのも同じくシクロクロス会場で見てはきましたが、
僕はそんなに順位とかはアレだし、刃こぼれだらけのナイフのような姿勢でレースに挑んでいますので、
やはり前輪を上げるというパフォーマンス、同時に自己満足への憧れはつのるばかりだったのです。
そこでこの冬、僕は本格的に前輪を上げる練習をすることを決意したのです。
そこで、僕は手始めに前輪を上げた状態で後輪だけで前に移動する行為、いわゆる「ウィリー」の練習を始めました。
正確には前述の「障害物を自転車に乗ったまま越えていく技」は
「前輪を上げて、ほぼ同時に後輪も上げちゃう」という「バニーホップ」という技なのですが
「前輪を上げるといったらやはりウィリーだろう」という至極もっともな論理で練習をはじめました。
その過程で「前輪を上げる」というのは、腕で力づくで上げるのではなく
大事なのは「体重(荷重)移動で前輪を吊り上げること」であるということを知りました。
つまり、前述した腕で前輪を持ち上げようとする状態、「腕がピン!となる」状態は完全な間違いであったのです。
このことを知っただけでもたいへんな収穫であったといえましょう。
1,2週間、ウィリーの基礎から学び、反復練習を繰り返し
一瞬でありますが、約60%の確率で前輪を2,30センチ程度上げることができるようにまでになりました。
うまくいけば「なんとかだましだましに」前輪を上げたままペダルをひとこぎふたこぎできるようにまでなりました。
ウィリーに詳しい各サイトなどを見れば、マスターするのに数年かかったなどという話もちらほらと見る中、
僕はほんの1,2週間でそこまでに至ったのです。天才かもしれません。
それまでは転倒などの危険を考え普通の靴で練習していたのですが、
ある日ビンディングシューズ、いわゆるペダルに靴を固定するタイプの靴でやってみたところ、
それまでにないぐらいにスムーズに前輪を上げることができることに気付きました。
おそらくビンディングシューズにしたことで、ペダルへ脚の力が無駄なく伝わり、
推進力が上昇することで荷重変化が容易になったことが原因でしょうか。
それにすっかり気をよくしたミユキさん、
「グフフ今日ウィリーをマスターしてやるぜ」とビンディングシューズで練習していたところ、
偶然「グワッ」と前輪があがり、そのままひとこぎ、ふたこぎ、もう一声、もう一声、とウィリーができたのです。
「グハハ見ろウィリーができたぞグワァーッハハ」と有頂天になること数秒、
ウィリーができたことに油断して、体重が前にすんっと移動、
前輪を進行方向に対して直角にした状態で地面に食い込むようにガンッと着地、
「前に進んでいる状態で前輪がガンッと着地」したらどうなるかというと、皆さん想像されるとおり、それはもやは事故です。
「前輪が壁にぶつかった」とか「穴に落ちた」と同意で、運動エネルギーが一点に集中、
前のめりに自転車は1回転、それに乗っているミユキさんはこんがらがりながら前に放り出され、
前輪を上げる練習をしていたのに左顔面から地面に落ちた、と言えばその場の凄惨さが理解できようかと思います。
しずしずと立ち上がるミユキさん、
アアー。。。
アゴから地面に落ちました、
血とかは出てないみたい、骨とかも大丈夫だろう。。。ここまでもろに顔面から落ちてここまで何もないというのも奇跡だな〜ドゥフフ、
ああ、ここが草地でよかった、アスファルトであったらと考えるだけで恐ろしい、ハア、草地でやっていてよかったなあドゥフフ。。。
もうやめさせてもらうわーっ
ともう前輪を上げることはやめ、しずしずとその場から帰宅し、(リュックには家で食べようと買ったミスタードーナッツが入っていました)
それ以来ときどきやってはみるものの、ミユキが前輪を上げる確率は格段に下がることになったといわれます。
上の絵はそのような作者の経験や願望がこめられた絵であるといえましょう。
(最近はウィリーよりダニエル(前輪を上げた状態で後輪でぴょんぴょんする)ほうに憧れを抱いています)
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