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ムスメミユキ
  • 一重まぶたとベリーショートに青がきれい

  • 2014年03月26日水曜日 | カテゴリー:
    一重まぶた

    はい
    ミユキおすすめ本コーナーですが
    今回ご紹介するのは

    いろはカルタに潜む江戸のこころ・上方の知恵

    です。
    一口にいろはカルタといっても、その中で使われていることわざは全国共通ではないことは皆さん御存知ですか。
    僕は知りませんでした。
    この本はそんな「江戸(関東)」と「上方(大阪、京都、関西)」のカルタを、いろは順に交互に紹介していくという形式の本です。
    たとえば「いろは」の部分を紹介すると


    江戸「犬も歩けば棒にあたる」
    上方「一寸先は闇」

    江戸「論より証拠」
    上方「論語読みの論語知らず」

    江戸「花より団子」
    上方「針の穴から天を覗く」

    これだけで江戸っ子の「てやんでえべらぼうめ」という快活さと
    上方の「オホホえらい元気よろしいなあ」という皮肉屋
    という風情を感じます。
    「出稼ぎの多民族によるぽっと出での新興都市」江戸がカルタで遊ぶであろう子どもたちに「江戸で生きる心意気」を教えるのに対し、
    「歴史ある商人の町」、大阪京都では「現実的な商売の教訓」をそれとなく伝えようとしている、そんな裏側を感じ取れます。
    そんな中で両者で唯一共通している段(そう、ひとつしかない!)が「おそらく下ネタであろう」というのも人間味があっておかしい。

    この本は一見すると、そんなカルタに使われていることわざをひとつひとつ解説する、いわゆる辞典的な本に見えますが、
    実のところそうではなく、上方担当の藤本 義一さん、江戸担当の杉浦 日向子さん両名の、時に軽妙、時にくどい、
    ぴりりとした文体が見所、次は次はとページをめくらせます。

    個人的に「ハア」と思ったのは「塵も積もれば山となる」。
    御存知ラッキーマンの登場人物、努力マンの本名も「チリツモ ヤマナル」であるぐらい
    「小さなこともコツコツと続ければ大きなことが達成される」という努力賞賛のことわざですが
    杉浦さんは「そうであろうか」という。
    そもそも「山」というのは大きなベースが風雨に削られたり、
    もしくは大陸プレート同士の衝突による膨大なエネルギーによる隆起、
    火山など人知の及ばない強大な自然エネルギーによりできるものであって、
    塵が積もって何百メートルにもなったという山は存在しない、
    これは小さな塵も掘っておけば山のようになって片付けられなくなるぞ、
    小さなストレスでもこまめに処理しなさい、溜め込んでいたらどうしようもなくなるぞ、
    という教訓であろうと、現代のストレス社会に一太刀入れて「ち」の段を締める杉浦さん。
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